北の木の家(札幌市2事例) / 森林とふるさとを元気にする「地材地消」

「会社から帰宅して家のドアを開けると木のかおりが漂って。毎日の楽しみです。」「北の木の家」認定の家を建てた山口信一・民枝さんご夫妻(札幌市)

木のかおりがする、理想のマイホーム

 2007年十月に完成した待望の新居は、床にヒノキ、梁には日高の赤エゾマツ腰板には道産のカラマツなど、目に見えて木を使っていることがわかるように造られています。「柱や玄関のあがり口には、小民家のヤチダモ材を使ったり。木のかおりがする、理想のマイホームができました。もう、毎日仕事から帰宅するのが楽しみで」とご主人。
 初めての家造りにあたってご夫婦がこだわったのは、北海道の木を使うことでした。「せっかく建てるのなら、生まれ育った北海道の木を使いたい。さらにそれを証明できるものが、あればいいなと。そんな時『北の木の家認定制度』のことを知って、これだと思いました」。さまざまな施工業者にあたった結果、木造の家にこだわる工務店にも出会うことができました。「認定に必要な木材の証明の収集などは、工務店さんにもお任せして。値段も普通より少しだけ高めでしたが、いろいろと細かい要望にも対応してもらったのが良かったですね」。玄関には「北の木の家」の認定証が、しっかり飾られています。
 リビングにはペレットと薪兼用のストーブ、屋根には太陽光発電のパネルがあって、環境にもしっかりと配慮されている山口さんの家。「木の床は、かんなをかければまた真っ白に。長くこの木の家と付き合っていきたいと思ってます。」

木のかおりがする、理想のマイホーム

「愛犬の健康も考えて、できるだけ自然な物、近くのもので建てました。」「北の木の家」認定の家を建てた大口拓也さん・亜沙子さんご夫婦 (札幌市豊平区)

住んでみてよさが分かる自然素材の家

 「家を建てるとき木の家を考えたのは、愛犬のアレルギーがきっかけした」と奥様の亜沙子さん。獣医さんに「もしかしたら建材に使われている化学物質が原因かもしれない」と指摘されたことから「できるだけ自然なもので、近くのもので」という視点で、自然素材の家造りをしてくれる建築・施工会社を探し、(有)ビオプラス西條デザインと巡り合いました。
 外壁は北海道産カラマツを木酢液に漬け込んだ板張り仕上げ。構造材料、下地材、建具、造作材はすべて北海道産の木材で、クリ、エゾマツ、トドマツを使用。さらに壁には珪藻土、天井には「和紙」を使うという徹底振り。「『北の木の家』のことを知ったのはローンを組んだ銀行から。ローン金利の優遇もあるということでしたし、建築会社さんと一緒にチャレンジしてみたら、認定を受けることができました」。
 コンパクトな1DK+ロフト仕様の室内は、木と障子とステンレスですっきりとまとめられ、照度も低く抑えられて、とても落ち着いた雰囲気。「家に帰ってくると心底にほっとします」という拓也さんの言葉もうなずけます。一年を通じて通気がよく、適度な湿気があるのでとても住み心地がいい、というのは亜沙子さんの弁。
 玄関ホールに脚洗い場があったり、階段には自然素材を編みこんだ滑り止めがついていたりと、ワンちゃんにも至れり尽くせり。二人と一匹の「北の木の家」には、自然の温もりにあふれたやさしい時間が流れているようです。

→「北の木の家認定制度」について

きっかけは設計士からの提案