木材に関する疑問にお答えします

質問 木は樹種によって特有な香りをもっています。それらには色々な作用があるとききますが、どのようなものなのでしょうか?
答え  木が匂うのは材内にある精油成分のためです。樹種によって精油成分の種類と含有量が異なるのでそれぞれ樹種特有の香りを生じます。これらの精油成分はさまざまな作用を持ち、いくつかのテルペン類の相乗効果によってヒノキは抗菌作用があります。ヒノキはこのほか防蟻、防ダニ作用があり、ヒバも同じ作用を持ちます。また、クスノキの防虫作用はよく知られています。
1)新築の家にさわやかな木の香りを感じ、木づくりの調度品にただようほのかな香りに心は安らぎます。見た目の美しさや肌触りだけでなく、木の温もりには木の香りが係わっています。
 木が匂うのは材内にある精油成分(揮発性物質)のためです。木材の精油には数十種類の成分が含まれているのが普通です。木の種類によって個々の精油成分の含有量が異なりますので、スギの香り、ヒノキの香りというようにその木に特有な香りが生じます。そしてこれらの精油成分はさまざまな作用をもっています。

2)ヒノキの材油にはカンフエン、α−ピネンなどのモノテルペンのほか、カジノール、ヒノキオールなどのセスキテルペン類が多く含まれています。ヒノキの抗菌作用はこれらテルペン類の相乗効果によるものです。さらに、ヒノキ材に含まれる成分にはダニに対する繁殖抑制効果があることが知られております。また、ヒバには抗菌性をもつ精油成分ヒノキチオールが含まれており、シロアリに強いのはヒノキチオールやセスキテルペン類によるものです。注意すべきはヒノキにはヒノキチオールはなく、これを含んでいるのはヒバ、タイヒ、ベイヒなどです。

3)精油成分の諸作用に対し、とくに効果があるとされる樹種の例をあげてみます。
抗菌:ヒノキ,ヒバ、ネズコ、タイヒ、ユーカリ
防蟻:ヒノキ、ヒバ、コウヤマキ、イヌマキ、センダン
防ダニ:ヒノキ,スギ、アカマツ、ベイスギ、ベイヒバ、ベイスギ
防虫:クス、センダン、ユーカリ

4)人の健康に関連して、マウスにヒノキ、トドマツの香りをかがしたとき適度な濃度において運動量が増加する事が確かめられ、木の香りがいらいらを抑えリラックスした状態を作りだすことも明らかにされています。こうしたことから香り成分を取り出して、芳香剤や入浴剤に、さらに防かび剤、殺ダニ剤などにも積極的に利用されるようになっています。

〜日本木材総合情報センター「木材利用相談Q&A100」より〜

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質問 エゾマツとトドマツの見分け方を教えてください。
答え  一般に立木の状態で樹種を見分けるときは、樹形、花、葉などの特徴をもとに行います。これらは図鑑などに詳しく書かれていて、ご存知の方も多いと思います。一方で、樹木を切り倒し製材・加工された木材を見分けるにはどうすればいいのでしょうか。通常木材を見分ける場合、肉眼、顕微鏡などを利用して観察できる形態的な特徴をもとに行います。そのほかにも呈色反応などの化学的な性質に基づいて行う場合もあります。また、木材の手触り、におい、味なども識別の拠点となります。詳細については、成書を参照していただきたいと思います。
 さて、エゾマツとトドマツの見分け方ですが、ムクの材であれば材色でおよそ区別できます。つまり、前者は少し黄色味がかっていて、後者はほぼ白色です。材色で判断できない場合は樹脂道とよばれる組織の有無で区別できます。つまり、樹脂道が存在すればエゾマツ、存在しなければトドマツです。この樹脂道は木口面ではポツポツと白い斑点のように見えます(写真5、6)。柾目または板目面では縦の筋としてうっすらと見えます。見えにくい場合は材の表面を軽く水でぬらして、カミソリの刃やカッターナイフで表面をきれいにすると見えやすくなります。また、ハンドルーペなどを用いるとさらに分かりやすいと思います。ここで注意しなければいけないのは、トドマツが全く樹脂道を形成しないわけではなく、何らかの原因で幹に損傷を受けると樹脂道を形成するということです。これは傷害樹脂道とよばれています。しかし、傷害樹脂道は通常の樹脂道のようにポツポツと点在するのではなく、数珠状に連なり密集して存在するので区別できます。

〜北海道立林産試験場「林産試だより:木材に関する質問と回答」より〜
→[エゾマツはどんな木?]
→[トドマツはどんな木?]
→[エゾマツを使った製品を調べよう!]
→[トドマツを使った製品を調べよう!]

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質問 同じ樹種でも、抽出成分の量は異なりますか。特に抽出成分の多い材に注意すべきことはありますか。
答え  抽出成分の含有量は、同じ樹種でもかなり違います。例えば広葉樹のイタヤカエデの抽出成分の一つ、ワックスは通常1.66%(乾物重量あたり)くらいですが、多いものでは2.64%にもなります。この差は1%ですが、ファイバーボードの耐水性を付与するために1%程度のワックスを添加することを考えると、この量は相当多いといえます。個体間でどの程度、抽出成分が異なるものかを具体的に調べたものはありませんが、このようなことはカラマツでも見られます。カラマツ梱包材では同じく抽出成分の一つ、樹脂すなわちヤニの含有量に多少があり、これが多いと梱包品に付着することもあるため敬遠されがちです。また、イタヤカエデのような楽器用材では、抽出成分が多いことで音響に影響するなどが考えられます。したがって、用途によって抽出成分の量にも注意して使用するべきと思われます。

〜北海道立林産試験場「林産試だより:木材に関する質問と回答」より〜

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質問 北海道にもヒバ油のようなものがありますか。
答え  ヒバ油とは、ヒバの材に含まれる精油のことです。なお精油とは、樹木などに含まれる芳香性の油状物のことです。精油は、樹種や部位によって含まれる成分、量が異なり、抗菌や消臭など様々な効果があります。
 北海道では、トドマツが森林蓄積量の約20%を占めます。その樹葉乾物1kgあたり約40pの精油が含まれています。
 その成分はα-ピネン、カンフェン、β-ピネン、ミルセン、リモネン、β-フェランドレン、ボルニルアセテートなどです。ヒバのような抗菌作用は少ないようですが、トドマツ精油には消臭効果があり、リフレッシュ、目覚めをすっきりさせる作用があります。
〜北海道立林産試験場「林産試だより:木材に関する質問と回答」より〜

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質問 ササには防腐効果があると言われますが、食品などの保存剤として利用できるのでしょうか。
また、その成分はどのようなものでしょうか。
答え  防腐効果はありますが、食品などの保存剤として使用するにはその効力はやや不足と思われます。防腐には、ササ葉中の有機酸およびフェノール性成分などが作用するようです。ササ葉中の有機酸には、酢酸、プロピオン酸、安息香酸など、フェノール性成分にはグアヤコールやフェノールなどが含まれています。これらの成分は、単独よりも、混合したままのほうが防腐効果は高いようです。

〜北海道立林産試験場「林産試だより:木材に関する質問と回答」より〜

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