2004.12.01
(株)ミライエホーム 様


今回は『カラマツと心中』するくらい道産カラマツを愛している(株)ミライエホームの横川常務にお話をお伺いしました。


住宅維新

 まず目に付くのはロゴ。会社の入り口には『みらいえホーム』という文字と鳥をかたどったようなロゴマークが書かれた大きな“書”がかかっています。社名は『未来の家』をイメージし、ロゴマークは『住まいの夢をもったお客様を中心に、夢を持って集まる人々が未来にむかってはばたいていく鳥』をイメージしています。理想の家づくりを追い求める強い思いが感じられます。
 その思いは経営理念である『住宅維新』という言葉にも表れています。住宅維新とは“これまでの住宅建設に対するアンチテーゼ”だと言います。これまでの住宅建設は請負金額の明細が不明瞭であったり、建設会社の都合で仕様や資材等を決めていたりと、お客様の立場に立っていないものが普通だったのが、ミライエホーム様ではすべてをお客様にお見せして誠実に対応しているとのことです。

素材を大切にする家づくり

 ミライエホーム様がお客様にオススメするのはカラマツなどの素材を前面に出した『スッピンの家』。残念ながらすべてのお客様に理解を得られるわけではなく、中にはクロス張りの家もあるようですが、凹凸のある壁「リズミックウォール」など、いろいろなところで素材の味を楽しむことができます。そのこだわりは徹底していて、天井のルーバー、トイレやお風呂といった水回り、デッキ、窓枠(サッシ)の外側にも木材が使われているばかりか、木材のほかにも、外壁のタイルや内装の珪藻土など、さまざまな素材がふんだんに使われており、それらが調和してスタイリッシュな空間を創出しています。モデルハウスには同業者の方もいらっしゃることがあるそうですが、『こんなふうに使えるんですか!』と驚いていかれることもあるとか。
リズミックウォール お風呂にも木材が


北海道とともに育ってきたカラマツ

 ミライエホーム様がカラマツをオススメするには、もちろん“わけ”があります。強度が強いとか、色が美しいとか、集成材にすれば狂いが少ないとかの性質が良いのはもちろんですが、“カラマツは北海道とともに育ってきた”からだといいます。
 カラマツが植えられたのは今から40年ほど前。当時は北海道内にたくさんの炭鉱があり、炭坑では壁や天井を押さえるのに木材が使われていました。その木材に適していたのがカラマツ。炭坑の繁栄に伴ってたくさんのカラマツが植えられました。
 また、農地では風で土が飛ばされるのを防ぐために木を植え防風林をつくりますが、冬には雪がたまらないほうが良いため、冬に葉っぱのないカラマツが適していたといいます。
 カラマツは北海道の経済(炭坑)や生活(農業)と一緒に育ってきた木なのに、今は使い道がないと言われている。これはいけない、「カラマツを使わないでどうする」と横川さん。

最先端の技術で安心できる住宅を低価格で

 ミライエホーム様では、このカラマツを狂いの少ない集成材に加工し、住宅の骨格に採用。骨格と骨格の接合には強度のある金物接合、断熱には性能の落ちにくい外張り断熱を採用しています。
 地域の資源を最良の技術で住宅につくりあげる、それは快適な住環境を提供するだけでなく、費用的にもお得だといいます。住宅建設時の投資額は高くなるかもしれませんが、カラマツは地域の資材なので地域の気候にあっている上、それを組み立てる技術も最新のもので性能が良い住宅が出来上がるので、メンテナンス費用が低く抑えられるからです。
 これも『住宅維新』のひとつなのですね。
カラマツ集成材の梁と金物接合


北海道の人は慎重

 しかし、どんなに説明してもカラマツを使うことに否定的なお客様もいらっしゃいます。“北海道の人は慎重だよね”と横川さんは言います。北海道の住宅のデザインは全国から見てもハイレベル。かっこいい住宅がたくさん建っていますが、その中身の構造や工法、使用部材については旧来のものにこだわり続けているといいます。カラマツもそのひとつ。北海道は環境が厳しいので慎重になるのもわかりますが、カラマツは北海道にあった資材なので、是非、挑戦していただきたいですね。


参考

階段との仕切りもカラマツ構造材をうまく使っている
〔(株)ミライエホーム様〕

ミライエホーム様のモデルハウスが〔北海道マイホームセンター〕にあります。(別画面で開きます)

(株)ミライエホーム様が使っている住宅資材
〔協同組合オホーツクウッドピアの構造用集成材〕
そのほかのカラマツ構造用集成材
〔伊藤組木材(株)〕
〔昭和マテリアル(株)〕
〔下川町森林組合〕
〔丸善木材(株)〕
〔佐藤木材工業(株)〕
〔厚岸木材工業協同組合〕
〔カラマツはどんな木?〕


そのほかの「道産材へのこだわり」はこちらから

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