
札幌にほど近い緑の懐で、道産木材がつくりだす空間の贅沢な非日常。
札幌から車で20分ほどの近さにありながら、豊かな大自然の中で穏やかな稜線を描く春香山。その麓の海と山のあわいに建てられたヴィラが「山郷 春 Villa-SHUN-」です。
「北海道に暮らすように泊まる」をコンセプトとした一棟貸の宿泊施設として、地域の魅力を存分に味わってもらうために道産木材をふんだんに活用。長い時間をかけてこの大地に育まれた素材の深みとやわらかな風合いが、ほかでは味わうことのできない滞在のひとときを演出します。

樹々に向かうアプローチを抜け木製の玄関扉を開けると、テラスにつながる土間空間が現れます。天井がひときわ高く開放的なリビングは、タモの無垢材によるフローリングで仕上げられ、その温もりを肌で感じることができるよう、低い座面と可動式の背もたれが特徴的な造作のソファが置かれています。
土間の薪ストーブと大開口の窓の向こうに広がる森の眺めは、訪れたゲストの心を圧倒する一幅の名画そのものです。

一方、ダイニングキッチンは低く抑えた天井に南スギ板を用い、リビングと対照的な空間に。キッチンの作業台とダイニングテーブルをフラットな天板で一体的にデザインし、北海道ならではの食事を大人数でもワイワイ楽しめる仕様としました。各居室にも「現し」の木造構造材やピクチャーウインドウ、素材や意匠を吟味した照明などを採用したほか、置型の家具やアメニティも道産、国産の良質なものを厳選。四季折々の北海道を暮らす体験がより魅力を増し、かけがえのない思い出となるようにとの想いが込められています。

札幌にほど近い緑の懐で、道産木材をはじめとしたさまざまな地元素材がつくりだす空間の贅沢な非日常。それを体現したのが、「山郷 春 Villa-SHUN-」です。
Data
施設名/山郷春 Villa-SHUN-
所在地/小樽市春香町2-13
構造及び階数/木造軸組工法(在来工法)・2階建て
建築面積/95.20㎡
延床面積/145.15㎡
竣工年月日/2023年5月31日
建築物の構造制限/その他建造物
防火上の地域区分/22条区域
建設主/合同会社ノースシェア
設計者/株式会社三五工務店
施工者/株式会社三五工務店
[道産木材の使用量と施工状況]
構造材/43.7563㎥うち道産材31.0294㎥(カラマツ)
内装材/2.16㎥うち道産材2.16㎥(カラマツ・タモ無垢フローリング)
外装材/2.6884㎥うち道産材2.6884㎥(道南スギ)
[資材の調達方法]
・構造材(カラマツ集成材)/「北海道プレカットセンター(株)」
・天井材(カラマツ合板)/「北海道プレカットセンター(株)」
・床材(タモ無垢フローリング)/「下川フォレストファミリー(株)」
・外壁・外装ルーバー・内装材(道南スギ羽目板)/「(株)ハルキ」
[施設概要]
自然を室内に取り込んだ空間設計と大胆な素材使いが見どころ。森に面した窓から見える四季折々の風景と新ストーブの炎がゆったりとした時間を演出。札幌から離れた郊外だからこそできる、北海道の暮らしを提案する森の別荘。
Builder’s Voice
空間の場所によって素材や表現方法を変えながらも、全体を調和のとれたデザインにまとめることを意識しました。自然の豊かな表情を持つ北海道らしさを現代的な意匠で表現。開口部や床や天井など、変化や段差の多い空間構成のため、施工難易度が高くなりましたが、イメージ通りの仕上がりになったと思います。
[株式会社三五工務店 設計室 山口圭以]
写真撮影:佐々木育弥
(※HOKKAIDOWOODBUILDING2023掲載)