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建築物

ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園

国内初の試みが実現した
持続可能性とゲストを包む「究極の地産地消」

ザロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園は、「北海道を体感する」をコンセプトにした日本初の高層ハイブリッド木造ホテルです。

国産材の活用による持続可能な木材の利用推進に取り組んできた三菱地所グループが本ホテルで目指したのは「究極の地産地消」。工事から運営に至るまで、道産建材や地元企業など地域資源の活用に対する同社のこだわりが各所に生かされています。

社会的にも環境配慮や持続可能性が課題となる中、これからの中大規模木造建築にとってのモデルケースとなるような先進的な取り組みを行った本プロジェクト。
道産木材の建材利用による北海道の森林循環や、工事中に出る廃材・CO2発生の削減、地元材の利用・地元業者との連携による地域産業活性化、そして単なる宿泊の場を超えた、開かれた「場」の創出による地域社会への貢献を実現しています。

建物は地下1階から地上8階までが鉄筋コンクリート造(8階床の一部にCLTを採用)、9階から塔屋階の上部4層を純木造(床:CLT、壁:高耐力壁/拡張型SSW14工法)とした立面ハイブリッド構造です。
建物全体で1,200mを超える木材を使用しており、その8割以上がトドマツ、カラマツ、タモを中心とした道産木材。
建物全てが鉄筋コンクリート造の場合と比べて、工事中に発生するCO2を約1,385tも削減しています。

また、建物はハイブリッド構造により軽量化。全層を鉄筋コンクリート造とした場合と比べて下層の地震力が小さくなり(1階で2割程度減)、鉄筋コンクリート部分の部材サイズの縮小にもつながっています。

加えて木造は乾式工法のため工期の短縮が可能(躯体1層の構築期間が鉄筋コンクリート造より7日程度縮減)。床、天井の遮音は、軽量化や乾式化という木造のメリットを生かし、可能な範囲で実施しました。
鉄筋コンクリート造階客室の内装には、通常は何度か使用すると廃材となってしまう鉄筋コンクリート型枠をそのまま内装仕上げとして活用する配筋付き製材型枠「MIデッキ」を開発・採用。工事現場から出る型枠廃材の軽減を実現しています。


道産材で製作した外装ルーバーやCLTから出る端材も、内装材や客室内の家具、ウッドスピーカーとして再利用するなど、サステナブルな工夫が見られます。
外装には高温熱処理木材サーモウッドによる木ルーバーや外壁用炭化コルクを使用し、経年とともに色が変化していく外観デザインに仕上がっています。
さらに地元業者と連携し、ホテル内のさまざまなものを徹底して道内で製作することで、地域産業の活性化と地企業への先端技術の伝達を図っています。
あらゆる形で表現された「究極の地産地消」を通して、ゲストに北海道の魅力を発言できるホテルです。

Data

施設名/ザ ロイヤルパークキャンバス 札幌大通公園
所在地/札幌市中央区大通西1丁目12
構造及び階数/鉄筋コンクリート造・木造
地下1階、地上11階、塔屋1階
建築面積/695㎡
延床面積/6,157㎡
竣工年月日/2021年8月31日
建設主/三菱地所株式会社
設計者/株式会社三菱地所設計
施工者/清水建設株式会社

[道産木材の使用量と施工状況]

構造材/1,062㎥うち道産材908.5㎥
(トドマツ他)
内装材/17.5㎥うち道産材17.5㎥(タモ他)
外装材/124㎥うち道産材124㎥(カラマツ)

[資材の調達方法]

CLT(トドマツ構造体)/トドマツは胆振・日高地域を中心に調達し、北見市の「オホーツクウッドピア」で加工。
高耐力枠組壁(カラマツ構造体)/カラマツは道内全域から調達し、小樽市の「西條産業(株)」、旭川市の「(株)ノムラ」で加工。
配筋付製材型枠(トドマツ型枠)/トドマツは胆振・日高地域中心に調達し、美瑛町の「びえいからまつ協同組合」で加工。
外装木ルーバー(カラマツ外装材)/カラマツは道内全域から調達。

[受賞歴]

・2021年度ウッドデザイン賞優秀賞(林野庁長官賞)
・2022年度グッドデザイン賞
・令和4年度木材利用優良施設等コンクール 林野庁長官賞
・日本空間デザイン賞2022 サステナブル空間賞
・令和4年度北海道赤レンガ建築奨励賞
・JIA優秀建築選2022

[施設概要]

「北海道を体感する」をコンセプトに、北海道産の建材や食材などの活用にこだわった「究極の地産地消」を目指す国内初の高層ハイブリッド木造ホテル。建物全体に1,200㎥を超える木材を使用し、その8割以上にトドマツ、カラマツ、タモを中心とした道産木材を使用している。

Builder’s Voice

本プロジェクトは北海道の林業活性化及び地域創生を通して、北海道に貢献することが目的でした。「北海道を体感する」というこのホテルのコンセプトの通り、北海道の木で作られた建物、木のぬくもり・匂い、芸術作品、家具、本、そして食材や酒などを通じて、宿泊された方々へと北海道の魅力が発言されることで、ますます北海道が発展することを祈念しています。
[三菱地所株式会社]