樹木図鑑

北海道の森林を構成する主な樹種についてご紹介しているページです。
北海道の代表的な樹種であるカラマツやトドマツをはじめとした全20種類の樹種をご紹介しています。
About

樹木図鑑について

北海道の森林を構成する主な樹種について紹介します。

カラマツ
樹種名:
カラマツ 唐松 落葉松
別称:
落葉
学名:
Larix leptolepis Gordon
分類:
マツ科
高木で高さ30m、直径1mになる。落葉樹。秋に黄葉する。樹皮は赤褐色、不規則な鱗片状。日本では静岡県から宮城県に分布し、北海道には自生していないが、道東を中心として道内広く人工造林されている。また防風林としても用いられている。材は湿りに強く、土工用材や建築材、ログハウスのほか梱包材として用いられる。また、学校用の机や椅子、アウトドア用としても用いられるようになってきている。
トドマツ
樹種名:
トドマツ 椴松
学名:
Adies sachalinensis Masters
分類:
マツ科
高木で、高さ30m、直径1mになる。常緑樹。樹冠は円錐形で先端は鈍形。樹皮は薄く平滑で青灰色や灰白色。枝は水平かやや斜上する。道内では普通に見られる針葉樹でエゾマツや広葉樹と混交する。また、人工造林も積極的に行われているほか、防風林などにも用いられている。樹種別では蓄積が最も多い。材は、主に建築に用いられる。また、ソフトで白く美しいことから器具、工芸にも用いられる。
アカエゾマツ
樹種名:
アカエゾマツ 赤蝦夷松
学名:
Picea glehnii Masters
分類:
マツ科
高木で高さ45m、直径1.5mに達する。常緑樹。樹冠は長楕円状円錐形。枝が多い。樹皮は赤褐色、鱗状。枝は幹の周りに密生。水平または下垂し上部では斜上する。トドマツやエゾマツと混交するが、イタヤ、センノキなどの広葉樹とも混交する。また、湿潤地などに純林を形成することもある。材は、木目が緻密で美しい。建築に用いられるほかピアノなどの響板として重用される。また、過酷な状況で風雪に耐えた風雅のあるものがあることや刈り込みが容易であることなどから盆栽や庭木にも用いられる。
エゾマツ
樹種名:
エゾマツ 蝦夷松
学名:
Picea jezoensis Carr
分類:
マツ科
高木で高さ45m、直径1.5mになる。常緑樹。樹幹は円錐形で、先端は鋭形。枝は多く長く、下垂またはやや水平であるが、上部では斜上。樹皮は帯黒褐色で鱗状、深い裂け目がある。イタヤ、ミズナラなど広葉樹と混交するほかトドマツやアカエゾマツと混交する。材は白色で軽く軟らかく光沢があり、弾力に富み、建築用や家具に用いられる。アカエゾマツには劣るが、楽器材にも用いられる。
スギ
樹種名:
スギ 杉
学名:
Cryptomeria japonica D.Don
分類:
スギ科
日本の代表的な樹種のひとつで、北海道にあるものは人工造林されたものであり、北海道南部から日本全土にスギの林が見られる。心材と辺材の色の差は明らかで、前者は桃色から濃赤褐色までかなり幅がある。年輪ははっきりしており、材は針葉樹のなかでは軽軟らかい。建築材、家具、器具、造船など用途の範囲は広い。
ミズナラ
樹種名:
ミズナラ 水楢
学名:
Quercus mongolica var.grosseserrata Rehd.et Wils
分類:
ブナ科
高木で高さ25~30m、直径60~150cmになる。枝は太く開出する。樹皮は厚くて鱗状、老樹では裂け目を生じ、暗褐色。葉は無柄または短柄で、小枝の先端にまとまって着く。長さ9~23cm、縁は大形の鋸歯。成葉は厚く堅くて平滑。上面は鮮緑色で光沢があり、下面は淡色。葉柄は平滑で上部に溝がある。実は堅果で長楕円形、はじめ暗緑色、成熟すると暗褐色。いわゆるドングリと称されるもののひとつ。山地に多い。材は堅いが、加工は容易で木目が美しく、高級家具や器具材、床板などに用いられる。しいたけ原木としても利用される。道産広葉樹の主要なもので重用されたが、現在は大径木は少ない。
シナノキ
樹種名:
シナノキ 科の木
別称:
シナ
学名:
Tilia japonica Simonkai
分類:
シナノキ科
高木で高さ20m、直径60cmに達する。樹皮は暗褐灰色で縦に浅く割れ目ができる。葉は心臓状円形または卵状円形で先端は尾状尖形。葉柄は長い。全国的に分布する。材は軽軟。帯黄白色。かつては樽材などに用いられた。建築、器具材として用いられる。また、合板材として重要。花は養蜂に利用される。
ブナ
樹種名:
ブナ 木無
別称:
ソバグリ
学名:
Fagus crenata Blume
分類:
ブナ科
高木で高さ20~30m、直径60~100cmになる。樹皮は平滑で灰色または帯緑色。葉は卵状楕円形で先端は鋭尖形、縁は波状。北海道では道南に限られ、北限は黒松内付近。ブナの森の美しさなどから関心が高まってきている。材は強固で緻密。家具、器具材として用いられる。
ヤチダモ
樹種名:
ヤチダモ
別称:
タモ
学名:
Fraxinus mandshurica var.japonica Maxim
分類:
モクセイ科
高木で高さ20~30m、直径1mになる。樹皮は厚く灰白色で深く縦裂する。葉は羽状複葉。小葉は対生、無柄またはほとんど無柄、長楕円状被針形、先端に向かって細く尖形。材は強く、弾力性に富む。建築用、家具、内装材、スポーツ用具などに用いられる。
シラカンバ
樹種名:
シラカンバ 白樺
別称:
シラカバ
学名:
Betula Platyphylla var.japonica Hara
分類:
カバノキ科
高木で高さ20~25m、直径30~40mになる。樹皮は白色でやや光沢があり、薄くはがれやすい。道路造成跡など日当たりの良いところや山火事跡に一斉林を形成したり、ミズナラなどの広葉樹と混交する。材は木目が緻密で堅く、帯黄白色で磨くと美しいので家具、建築内装、各種の器具材、工芸に用いられる。また、幹が白く美しいので公園、街路樹として植えられる。
ウダイカンバ
樹種名:
ウダイカンバ 鵜松明樺
別称:
マカバ
学名:
Betula maximowicziana Regel
分類:
カバノキ科
高木で高さ25m、直径60cm以上になる。樹皮は黄褐色または灰褐色で横長の皮目がある。葉は広卵形で基部は深い心形。シラカバはやせた土地にも生育するが、ウダイカンバは肥沃で日当たりの良い場所を好む。心材は美しい淡黄褐色。外観と加工性に優れ、建築材、高級家具材、楽器材などに使われる。
イタヤカエデ
樹種名:
イタヤカエデ 板屋楓
別称:
エゾイタヤ
学名:
Acer mono Maxim
分類:
カエデ科
高さ20m、直径60cmになる。カエデ類は種類も多く、材質も良い。幹が曲がり、横断面も不斉形のものが多い。春には葉より先に黄緑色の花が咲き、秋には葉が黄色く色づく。また多くの種類があり、同じ種類でも若い木と成長した木では葉の形が違うものもあるため、見た目のバリエーションが豊富。材は大変丈夫で、特有の錦糸光沢を現す。美しい杢(もく)を現れることがある。材は大変丈夫で、家具材、楽器材板材などさまざまなものに利用される。特に、スキー板やボウリングのピン、ラケットの枠などの運動用具や、バイオリンやピアノなどの楽器の一部に重宝される。
ハリギリ
樹種名:
ハリギリ 針桐
別称:
セン
学名:
kalopanax pictus Nakai
分類:
ウコギ科
ハリギリともいわれている。高木で高さ23m、直径1mに達する。樹皮は厚く、暗褐色で深い縦の割れ目がある。1年生の枝には大型の刺が多くある。葉は長さ9~26cm幅11~35cmと比較的大きく、約7裂の掌状。材は木目が粗であることから加工しやすく、内装材、家具材、器具材などに用いられる。
ハルニレ
樹種名:
ハルニレ 春楡
別称:
アカダモ、ニレ、エルム
学名:
Ulmus davidiana var.japonica Nakai
分類:
ニレ科
高木で高さ30m、直径1~1.5mに達する。葉は倒卵形で先端は尖形、縁は重鋸歯。樹皮は灰色を帯び、鱗片状に分離する。湿ったような所に多く、平地でも見られる。木の姿は美しく、公園や庭園には植えられたものが見られる。材は重く、堅い。かつては車輪に用いられたほどである。家具、器具、楽器材などとして用いられる。
カツラ
樹種名:
カツラ 桂
学名:
Cercidiphyllum japonicum Sieb.et Zucc
分類:
カツラ科
高木で高さ20~25m、時に30m以上になり、直径1~1.5m、時に2から4mにもなる。葉はハート形。春の若葉は褐色を帯びた赤色で淡く、木全体で美しさをかもしだす。樹皮は灰色を帯び、深い縦裂がある。北海道では中央部と西部に多く、沢沿いや湿った所に生育するものが多い。材は軟らかくて丈夫ではないが、木目は緻密で美しく、加工が容易なので各種の器具、彫刻、家具、内装などに用いられる。将棋・碁盤として重用される。
カシワ
樹種名:
カシワ 柏
学名:
Quercus dentata Thunb
分類:
ブナ科
高木で高さ20~40m直径60~100cmになる。枝は太く斜上または開出。樹皮は厚くて不規則に縦に深裂し、暗灰色。葉はほとんど無柄または短柄で、小枝の先端に付く。縁は波状に浅裂。成熟すると厚く革質となり上面は濃緑色で光沢があり、ほとんど平滑、下面は淡色で平滑。長さ12~28cm幅9~22cm。葉柄は極めて短く、密に軟細毛がある。堅果は球形から長楕円状球形。いわゆるドングリと称されるもののひとつ。日当たりの良い山地、開けた谷や海岸に近い平地に生じ、しばしば純林を形成する。海岸林の主要な樹種。材は、非常に重くかつ強靱。用材として活用されたが現在は大径木は少ない。薪炭材として良質。葉は柏餅に用いられる。
ナナカマド
樹種名:
ナナカマド 七竈
学名:
Sorbus commixta Hedl
分類:
バラ科
高さ6mから13m直径30cmになる。樹皮はざらざらしていて黒褐色。皮目はやや隆起し横線形。葉は互生、奇数羽状複葉。小葉は対生、長楕円形や長楕円状被針形。6月に密に花の付いた集散花序の白い花が咲き、9~10月に直径約8mmの球形の赤い実が熟す。また、紅葉する。実は葉が散った後も残る。材は堅く、強く、木目が緻密で、家具材などに用いられる。街路樹や公園、庭園樹として植栽される。
オヒョウ
樹種名:
オヒョウ
別称:
オヒョウニレ
学名:
Ulmus Laciniata Mayr
分類:
ニレ科
高木で高さ13~25m、直径30~80cmになる。樹皮は比較的薄く、灰色、ごく薄い裂け目がある。繊維、粘液が多い。葉は互生。倒卵形で先端が3個ほどの尾状に浅裂し、先端は鋭尖。北海道各地に生育するが、中部に多い。材は重く、堅く、淡紫褐色。辺材は特に淡色。器具材などとして用いられる。樹皮の繊維はアツシ織りの材料とされた。
キハダ
樹種名:
キハダ 黄膚
別称:
シコロ
学名:
Phellodendron amurense Rupr
分類:
ミカン科
高さ20mになる。樹皮は灰黒色や黒褐色で、縦方向の無数の深い皺がある。葉は対生、奇数羽状複葉。小葉は卵状長楕円形で先端は細くなり尖形。5月~7月に枝先に多数の花を付けた円錐花序の黄緑色の花が咲き、9~10月に直径1cmほどの球形の黒い核果が付く。材は茶褐色でやわらかく、木目がはっきりしており、器具材として用いられる。また、その名のとおり樹皮の内皮は鮮やかな黄色であり、薬用として用いられる。公園や街路樹としても用いられる。
オニグルミ
樹種名:
オニグルミ 鬼胡桃
学名:
Juglans ailanthifolia Carr
分類:
クルミ科
高木で高さ25m、直径1mになる。樹皮は厚く、灰褐色で深裂し、多数の縦縞ができる。葉は奇数羽状複葉。長楕円形で先端は鋭形。核果は球形で3~4cm、先端に乳頭状頂端がある。内果皮は堅く、暗褐色で凹凸があり、球形で先端は尖形。河岸または平地の湿潤な肥沃土に生育する。材は堅く割れにくく狂いが少なく家具、器具材として有用。樹皮と内果皮は染料になる。種子は食用とされる。

私たちがどうしても
伝えたい木があります。