木質内装材のデザイン−天井材
天井材は壁材や床材に比べて、私たちが直接手に触れる機会が少ないことから強度は要しませんが、上向き施工のため、材料の軽量化と施工の容易性が要求されます。天井は、室内空間において視覚的に広い面積を占めます。また、住み手の頭上に常にあるわけですから、本質内装材の色彩や模様などの選択には、圧迫感を与えない軽い色彩や木目のデザインが望まれます。天井高にある部屋、勾配天井の部屋には木質内装材は大変に有効で、木目のパターンや色彩の選定により、室内の雰囲気が大きく変わります。
浴室や便所等に木質内装材を使用すると、あたたかみのある落ち着いた空間を造ることができます。
歳月の経過と共に変化して行く木の色合いを楽しむ、余裕のあるインテリアの演出が求められます。
天井材を張らずに、構造体を見せる方法もあります。子供部屋、屋根裏部屋、アトリエなどに有効でしょう。
天井と壁の見切りの手法にも配慮しましょう。
※特に天井材は、火気を使用する部屋や大規模な共同住宅では、法律で木質内装材の使用が制限されていますので、注意が必要です。
マツの合板を天井・壁に張ったもの。天井の区勾配と合板の質感が柔らかい雰囲気を創り出している。(木造、戸建住宅)
天井を張らずに構造体と野地板を現したダイナミックな吹抜け空間。(木造、戸建住宅)
天井にシナ合板を張った部屋。白い壁とのコントラストが美しい。(コンクリート造、共同住宅) ※2階建のマンションで火を使用しない居室は、木質内装材を使用できる。