2004.03.01
K邸


今回は、道産カラマツ材をはじめとするさまざまな木材・木製品を使用したK邸を訪問しました。

木材・木製品のショールーム

施主は、自らの住宅を“木材・木製品のショールーム”だといいます。
確かに、さまざまな木材・木製品が使用されています。外壁・ドア・床・天井・腰壁・階段・窓枠・棚・机・デッキ・マルチング・車庫・・・。木材の使用量は、普通の住宅は20〜25m3ですが、K邸では50m3にも上るというから驚きです。
また、種類や使い方もユニークなものが多く、天窓用の窓を壁に並べたり、かつての体育館用の床板のハネ物の床板、温水が循環する床パネル、防腐剤等の薬剤を塗らなくても良い木製外壁など、はじめてみるものもたくさんありました。


道産カラマツ人工林材へのこだわり

木材産業に携わる施主は、道産カラマツ人工林材を使うことを設計者に注文したといいます。
「なぜ、道産カラマツ人工林材にこだわるのですか?」と聞いてみたところ、 など、たくさんの答えが返ってきました。施主の道産カラマツ人工林材に対する熱意には圧倒されます。
「私たちもまだまだがんばらなくてはいけませんね」といったところ、「トヨタのクラウンは、誰もが高級車だと知っている。でも、まだ宣伝を続けている。道産カラマツ間伐材はトヨタのクラウンには到底及ばない。まだまだ宣伝が必要ですね」と、叱咤激励されました。あらためて、私たちの取り組みをがんばらなくてはと思いました。

次世代の木材利用を先取り

施主は、次世代の木材利用を先取りしたといいます。
海外の木材は、一概には言えませんが、違法伐採したものもあると考えられています。現在の流通システムでは、施主には使用されている木材が“どこで”“どのように”伐採されたものなのかわからない物がほとんどです。「もしかしたら、自分の住宅に違法伐採された木材が使用されているかもしれない」と後悔するような時代が来るだろうと施主は考えています。
施主が今回使用した木材は、留辺蘂町の人工林で計画的に伐採された間伐材、地球環境の保全に寄与していると自信を持っていえる製品です。

メタルフィット工法

K邸は道産カラマツ集成材を“メタルフィット工法”で組み立てた住宅です。
“メタルフィット工法”とは、柱と梁の接合部に“メタット”と呼ばれる金物を用いる工法で、プレカットされた材を、効率よく、強固に接合することができます。また、金物が表面にほとんど出ないため、腐食等の影響を受けにくい上、断熱効果が高く、内装の工作がしやすい等の特徴があります。また、釘やボルトを使用しないため、振動や長い年月で緩むことがないという特徴もあります。
また、木組みが美しいことも特徴。設計を担当したZEROM國澤設計計画室の國澤先生は、「メタルフィット工法は日本の住宅産業が木造住宅を作り続けられる工法」と評価する一方で、木組みをもっと出せばよかったと反省されたということです。


木材以外にも、施主の本物追求の結果、K邸は、稚内珪素土や札幌軟石、ホタテの殻を使用したパネルを使用するなど、「地産地消の木と土の家」になっています。

参考資料

  使用した木材

[協同組合オホーツクウッドピアの構造用集成材]

  カラマツはどんな木?

[カラマツ]

  「間伐(かんばつ)」とは?

[木に関する知識情報−手入れ]

そのほかの「カラマツの家をつくる」はこちらから

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