屋外施設のメンテナンス


屋外で使用する木製品は、直接太陽光線や風雨にさらされますので、紫外線による退色や膨潤収縮にともなう部材の欠損、腐朽菌や害虫による劣化を受けやすくなります。常に安全・快適に使用するためには定期的な保守・点検が不可欠です。木製屋外施設といっても非常に多種多様なものがありますが、ここでは公園や庭園に置かれた比較的規模の小さいものを対象にしたメンテナンスについて述べることにします。

日常の点検

木製エクステリア製品をいつまでも安全快適に使うためには、日常的な保守点検が必要です。一般には3ヶ月と6ヶ月とか定期的に点検することが必要です。雪と寒さから開放される春先には、特に入念な点検が必要です。木部や金属部の塗装もこの時期に行います。また、エクステリア製品そのものや周辺を常に清潔にしておくことも重要で、雑草や周辺のごみも取り除いておきましょう。

木部の腐朽度の点検とその対策

木部の腐朽度合いは必ず定期的にチェックするようにしましょう。木材は樹種、防腐処理の方法、処理薬剤の種類、使用環境等によって腐朽の進行度合いは大きく異なります。
一般に地際部分が一番腐り易く、次に欠き込みを設けたような接合部や、水や土がたまり易い部分も腐り易いといえます。木材が腐朽しているかどうかを外観的に判断しにくい場合には、次のような方法で簡単にチェックできます。
@ドライバーなどを突き刺してみる
 簡単に突き刺さらない……腐朽していない
 簡単に突き刺さる…………腐朽している
Aハンマーなどで軽く叩いてみる
 渇いた音がする……腐朽していない
 鈍い音がする………腐朽している
地際部分に軽度な腐朽が見られたら、その部分を交換するか、あるいは添え木などで補強します。できれば地際の上下30cm位の範囲にクレオソート油などの油性の防腐剤を十分に染み込ませると、腐朽を遅らせることができます。かなり腐朽している場合には新しい部材に交換します。いつまでも放置しておくと思わぬ事故につながります。腐り易いと予測される部材は、あらかじめ交換可能な設計にしておくことも木製エクステリアでは重要なことです。
また、地中に埋め込む方式をなるべく避け、雨水を受けても溜まりにくい方式にしておくことが重要です。

木部の塗装

外装用の塗料としては、防腐剤や着色剤と混合された木材保護着色剤が便利です。これらの木材保護着色剤はいろいろなものが市販されていますが、塗膜を作らない浸透性のものが一般的で、重ね塗りが可能です。3年毎に塗り換えるのが一般的です。土や砂などによる汚れを布やサンドペーパーなどで取り去り、刷毛で塗ります、接合部などの隠れた部分も入念に塗装します。

金属部分の保守・管理

木製エクステリアには、接合部などにボルトなどの金物が使われるのが一般的です。これらの金物部分にも金属用塗料を定期的に塗ります。金物類が錆びている場合には、サンドペーパーやワイヤーブラシで錆びを落とした後、錆止め塗装をしておきます。腐食している場合には新しいものに交換します。
ボルトなど接合金物の緩みも定期的に点検し、増し締めをします。また、ボルトやナットの出が使用上危険がないかもチェックします。そのような場合には短いものに取り替えるか、ボルトの出過ぎた部分を金属用鋸で切断し、ヤスリで丸めて、手が、触れても危険がないようにしておきます。

保守・点検の記録

屋外施設の保守・点検の際には何時、何を、誰が、どのように点検し、どのような処置をしたのかを記録しておきましょう。このことは不特定多数が使用する公園施設などの公共施設では特に重要なことです。


点検カードの一例

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