森林の公益的機能
森林が持つさまざまな機能について紹介します。
森林にはさまざまな機能があり、これらの機能を高度に発揮させるためには間伐が必要です。
森林の柔らかい土が、雨水を吸収・貯蔵し、濾過しながら少しずつ川に流していく機能を『水源かん養機能』といいます。そのおかげで毎日雨が降らなくても、私たちはたくさんの水を利用することができます。
木は地中に深く根を張り、土をしっかりとガードしているので、多少の雨では土砂が流出しにくく、すぐに川が氾濫することもありません。
また、木があることによって、地面に余分な日光が当たらず、土が急激に乾燥しないので、山が砂のように崩れることもありません。
木などの植物は、二酸化炭素を吸収・固定し、水さえあれば、それを分解して酸素にかえ、汚れた空気を浄化します。これがいわゆる『光合成』です。近年問題となっている、地球の温暖化防止にもつながる、森林の最大の役割です。
目を閉じて森林を思い浮かべたり、木の板に触れるだけでリラックスしてくることが、いろいろな実験でわかってきました。それなら、直接「木」とふれあえる森林に行けば効果も絶大です。日頃の生活で感じるストレスも、目に見えない森林パワーが解消してくれるでしょう。
森林の恩恵をうけているのは人間だけではありません。木の実や果実を食べながら生活している動物や、木に守られながら育つ植物など、その数は数えきれないほどです。
私たちは、森林から家を建てたり道具を作ったりするための木材や、山の幸など数多くの資源をもらっています。
木は目につく場所、目につかない場所、至る所でその存在をアピールしています。
間伐(かんばつ)
間伐とは、森林を育成する過程で本数を調整する作業をいい、森林づくりを進める上で最も必要かつ不可欠な作業です。
山林からの土砂の流出を防ぎ、水源涵養機能を向上させるなど、森林が持つ公益的機能を高度に発揮するうえでも重要な作業です。
間引かれた木は『間伐材』と呼ばれます。間伐材は貴重な木材となり、さまざまなところで利用されています。
◆ 道産間伐材ロゴマークとキャッチコピーについて
◆ 道産間伐材マーク認定製品・企業
森林の現状
北海道の森林の構成割合や伐採状況などについて紹介します。
森林を適期に伐採しないとどうなりますか?
森林の炭素固定機能は若い森林のほうが老齢林よりも高くなっておりますが、森林を伐採しないと、新たな人工造林ができないため、若い森林の減少をまねき、その結果、森林の公益的機能の一部である酸素供給・炭素固定機能が減少します。
林業や林産業は継続的に定量的に伐採を行うことで継続しています。
また、若い森林は手入れが必要ですが、伐採を継続的に行うことで、若い森林も継続して発生し、若い森林を手入れするための費用も継続して発生します。
しかし、伐採が継続的に行われないと、この輪が崩れ、林業・林産業は衰退し、人工林の手入れもされなくなり、森林全体の荒廃につながる恐れがあります。